運動不足になると老けるのでしょうか?疑問にお答えします

運動不足になると老けるのでしょうか?疑問にお答えします

老いは誰にでも訪れるものですが、誰も早く老いたいとは思わないものです。いつまでも若くあるために運動に取り組む方もおられますが、実際「運動と老い」にはどのような関係があるのでしょうか?

そこで今回の記事では、「運動と老い」の関係についてご説明します。

運動不足が加齢に与える影響

まず、運動不足が加齢に与える影響について調べた研究をご紹介します。

3週間動かないことは40年分の加齢に相当する!

アメリカのテキサス州ダラスという町で、「Dallas Bed Rest and Training Study」と呼ばれる興味深い研究が行われています。

1966年、5人の20代の健康な男性に、3週間ベッドに休み、一切の運動をしないように指示しました。3週間後、彼らの身体機能を測定したところ、心肺機能や筋肉量の著しい低下を認めました。その後8週間かけて運動トレーニングを行ったところ、失われた機能を取り戻すことができたのです。

この研究の面白いところは、30年、40年後に追跡調査を行っていることです。同じ5人の男性に30年後に集まってもらい、心肺機能や筋肉量を測定したところ、年齢相応の衰えをみせ、体重も若いときに比べて25%近くも増えていました。しかし、この間に失った心肺機能は、20代のときに3週間動かないでいたことで失った機能よりも、少なかったのです。

そしてなんと、20代のときに3週間まったく動かずに過ごしたことで失った機能は、40年後の再調査で判明した、40年間で失った機能とほぼ同じでした。つまり20代の人でも、3週間まったく運動をしなければ、40年間分老いる可能性があるということがわかりました。

(出典:McGuire DK, et al. A 30-year follow-up the Dallas Bed Rest and Training Study. Circulation. 2001;104(12):1350-7.
McGuire DK, et al. A Forty-year follow-up the Dallas Bed Rest and Training Study: The effect of age on the cardiovascular response to exercise in men. J Georontol A Biol Sci Med Sci. 2009;64A(2):293-9.)

何歳になってからでも遅くない、運動に対する迷いを断ち切る考え方

加齢と運動について、誤った考え方をしている方たちがいます。そのような考えや迷いを断ち切るために、何歳になってからでも運動をはじめるための考え方をご紹介します。

運動をはじめるには年を取りすぎているのではないか?

先ほどご紹介した研究にあったように、実際には動かないほうが老いるリスクが高く、老化を早める可能性があります。

運動をしていない人は、心臓病になる可能性が2倍になり、医者に行く回数も増え、薬を飲む回数も増えます。長い間運動をしていない人は、水泳などの心拍数を上げるような低負荷の有酸素運動をゆっくりとはじめましょう。

健康のために、週5日30分の有酸素運動を行い、週2日は筋力トレーニングを行うことがよいといわれています。1日30分が難しいようであれば、10分程度のウォーキングでもよいのです。また、運動といっても、新しいスポーツをはじめる必要はありません。できることをはじめましょう。

怪我をしてしまうのではないか?

自分の限界の範囲内でやっていれば、そのようなことはありません。ヨガのような、バランスを改善する運動をするだけでも、日常生活での転倒を避けるのに役立ちます。心配なときは、トレーナーに相談して、適切な運動について教えてもらうのも一案です。

心臓に負担がかかりすぎるのではないか?

定期的に運動をすることで、心臓を危険にさらすのではなく、むしろ強化することができます。マラソンや5キロ走をする必要はありません。軽く散歩をするだけでもいいのです。それだけで血行がよくなり、コレステロール値も下がり、気分も明るくなります。

以前のように動けないのではないか?

今と過去を比較しないことです。今できることをするだけで十分です。エクササイズは、20代の頃のように速く走ることを目指すものではありません。自分のペースで動いても効果はあります。

アメリカのイェール大学の研究によると、1日20分だけ歩いた高齢者は、歩いていない人に比べて、2年後の移動障害のリスクが低くなることがわかりました。

昔の自分と比べるのではなく、フィットネスを、精神的にも肉体的にも健康な状態を保つためのツールとして受け入れましょう。

一緒に運動してくれる人がいないのではないか?

誰かを探せばいいのです。ウォーキングクラブに参加してみましょう。お住まいの地域で行われている運動クラスがあるか確認してみるのもオススメです。自分と同じように、運動を楽しんでいる人たちとつながる機会を見つけましょう。

アクティブなライフスタイルの話をしていると、あなたの周りには、すでに一緒に運動できる人や、健康になろうと努力している人がいることを知って驚くかもしれません。あるいは、あなた自身が誰かを刺激して、一緒に体を動かすことができるかもしれません。

まとめ

人生100年時代、健康的に老いることは、すべての人たちにとっての課題です。実際、心肺機能の老化は30代からはじまるといわれていますので、すべての年代の人が運動に取り組み、健康的に老いる準備をする必要があります。ただし、運動の経験がない方には、いきなり運動に取り組むことに困難さを感じる方もおられるでしょう。

世田谷区南烏山の「PALLASSTUDIO」では、運動が苦手、継続性がない方でも気楽にはじめられる、シルクハンモックによるエアリアルヨガ(空中ヨガ・反重力ヨガ)に取り組んでいます。ぜひこの機会に私たちと一緒にエアリアルヨガに取り組み、健康的に老いを迎える準備をしましょう。