運動して汗をかくと、精神的にもすっきりするものです。このように、経験的に運動がメンタルヘルスによい影響を与えることを、感じている方もおられるでしょう。
では、メンタルヘルスに影響を与える因子には、どのようなものがあるのでしょうか?また、運動不足がメンタルヘルスにどのような影響を与えているのでしょうか?今回の記事では、運動とメンタルヘルスの関係についてご説明いたします。
運動がメンタルヘルスに与える効果について
まず、運動が一般的に健康な人のメンタルヘルスに与える効果について、ご説明します。
幸福感を得る
運動は、有酸素運動能力の向上や、筋肉を大きくすることだけが目的ではありません。
確かに、運動は体的な健康と体格を改善し、さらには寿命を何年も延ばせるかもしれません。しかし、ほとんどの人にとって、アクティブな状態を維持するためのモチベーションとなるのは、それだけではありません。
定期的に運動をしている人は、運動によって、大きな幸福感を得ることが知られています。これは、幸福を感じる脳内麻薬として知られる、エンドルフィンが関係しています。
定期的に運動することで一日中元気に過ごし、夜はよく眠れて記憶が鮮明になり、自分自身や自分の人生に対してリラックスして、前向きな気持ちになるでしょう。
記憶力と思考力
気分をよくする作用をもつエンドルフィンは、集中力を高め、目の前の課題に対して、前向きになることを助けます。その結果、定期的な運動は、記憶力や思考力向上の効果があると知られています。
また、運動は新しい脳細胞の成長を刺激し、加齢による衰えを防ぐのにも役立つのです。
自尊心
定期的に運動すると、心、体、精神が鍛錬されます。運動が習慣化されると、自己肯定感が高まり、強い気持ちをもてるようになります。
自分の容姿に自信がもてるようになり、小さな運動目標を達成することで、達成感を得られるでしょう。
睡眠
運動することで、睡眠の質が向上します。たとえ短時間の運動でも、運動を生活に取り入れることで、睡眠パターンを整えられるのです。夜運動したい場合は、ヨガやストレッチなどのリラックスしたエクササイズを行うと、睡眠を促進できます。
精神的回復力
生活の中で精神的な問題に直面したとき、アルコールなどに頼らずに運動することで、精神的回復力を高め、健康的に対処できます。また、定期的な運動は免疫力を高め、ストレスの影響軽減にも役立ちます。
メンタルヘルス上の問題と運動の関係
次に、メンタルヘルス上の問題を抱える人と、運動の関係についてご説明します。
運動とうつ病
軽度から中等度のうつ病の方に対し、運動は抗うつ薬の服用と同じくらい効果的に治療できることが示されています。もちろん、副作用はありません。
一例として最近の研究では、1日15分間のランニングや1時間のウォーキングは、うつ病のリスクを26%減少させることがわかりました。
運動はうつ病の症状を緩和するだけでなく、定期的に継続することで、再発を防げるという研究結果も出ています。
運動によって分泌されるエンドルフィンが、気分を高揚させ、気分をよくしてくれることがよい方向へ作用します。また運動は気晴らしにもなるので、うつ病の原因となるネガティブな思考のサイクルを断ち切る効果も期待できるのです。
運動と不安
運動は、自然で効果的な不安に対する治療法です。
運動は緊張やストレスを和らげ、肉体的・精神的エネルギーを高め、エンドルフィンの放出で幸福感を高めます。
たとえば、走っているときに地面につける足の感覚、呼吸のリズム、また、肌に感じる風の感覚に注意してもよいでしょう。これにマインドフルネス瞑想の要素を加えて、自分の体や気持ちを意識しながら運動することで、より早く精神面での不調を整えられるようになります。
運動とストレス
精神的ストレスを受けると、顔や首、肩などの筋肉が緊張して、背中や首の痛み、頭痛を感じることがあります。
胸が締め付けられるような感じがしたり、脈がドキドキしたり、筋肉がピクピクとけいれんしたりすることがあります。また、不眠、腹痛、下痢、頻尿など体面での不調を感じることもあるのです。これらの体の症状や不快感は、さらにストレスにつながり、心と体の間に悪循環を生み出します。
この悪循環を断ち切るには、運動が効果的です。
脳内でエンドルフィンを放出するだけでなく、体を動かして筋肉をリラックスさせ、体の緊張をほぐせます。体と心は密接に結びついているので、体の調子がよくなれば、心の調子もよくなります。
なお、心的外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder: PTSD)の治療として運動を取り入れ、効果があがっていることも知られています。
まとめ
メンタルヘルスの問題を抱えていなくても、定期的に体を動かすことで、精神的な幸福感を高められます。この効果を得るために、フィットネスマニアである必要はありません。たとえ10分の運動でも、やらないよりはやることが大切です。それでも運動が苦手、継続性がない人という方も、大丈夫です。
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